2009年04月16日

姉と女装とエロ漫画家 / 幾夜大黒堂(富士美出版)

漫画家が漫画家について描くことは、己の人生を描くようなもの。
それは思い入れがある分とても難しく、しかしとても熱い作品になるものです。

例えば、島本和彦の「燃えろペン」。
日本橋ヨヲコの「G線場ヘブンズドア」。
最近では小畑健の「BAKUMAN」。
どれも漫画家さんたちの熱い思いがみなぎった入魂の作品ですね。

一転、エロ漫画家がエロ漫画家を主人公にして書くという作品もよく見受けられますが、こちらはまったく意味合いが変わってくるんですよね。
エロ漫画家が主人公になる漫画は完全なるオナネタです。
ある日突然俺のもとにエロいお姉さんがやってきてチンコ舐めてくれたりしたらいいなー…という、
締め切り前のエロ漫画家の妄想をそのままネームに起こしただけというような、
100%自分のための漫画、自分大好きなエロ漫画家さんの急ごしらえの漫画が多いんですよね。
なので、エロ漫画家でもなんでもない一般読者が読めばだいたい駄作だと判定せざるを得ないというのが特徴です。


さて、本日ご紹介するのは、幾夜大黒堂さんの「姉と女装とエロ漫画家」。
タイトルからもお分かりいただけるように、単行本まるまるエロ漫画家が主人公の漫画です。
しかも主人公の名前が満夜大墨堂。
主人公のモデルが自分だということを隠すどころかアピールしてしまう潔さ。


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さらに、このノビ太君のような主人公・満夜先生は女装癖があり、女装するとかなりの美少女になってしまうという超設定です。


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どこまで自分大好きなんだよオイオイ!!


ストーリーは主人公の漫画家としての未来を心配する姉が、リアルなエロを描けるようにと股を開くところから始まります。


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その後は女性編集者にセクハラされたり姉とセックスしたり、オフ会で逆レイプされたり姉とセックスしたりと、やはり主人公がウハウハな展開が続きますが、本命はやは

り姉です。
姉に奪われるまでは童貞のくせしてエロ漫画家で、女装癖があってシスコンで仮性包茎だなんて、何重苦背負えば気がすむのでしょうか。


しかし、身体は許してもキッスだけは許さないという、昔の娼婦のようなこだわりを見せる姉。


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それもそのはず、姉には婚約者がいるのです。
姉に認められる漫画家になろうと必死でペンを走らせる主人公。


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しかし焦って描いた漫画は、やはりボツをくらってしまいます。
スランプに陥る主人公。それを慰める姉。


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しかしやはりキッスだけは許さない。


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姉にも依存できず、エロ漫画も描けなくなってしまった主人公が、それでもペンを握りしめ、原稿用紙にぶちまけた想いとは―…!!


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あれっ、なんかここまで描くとマジで漫画家による漫画家物語じゃないですか。
そうなんです。ぜんぜんオナニー漫画じゃないんです。おもしろいんです。
さらに、姉への報われない想いと、女装フェチならではのエピソードを詰め込んでおきながらエロを忘れない、いやむしろストーリーがあることでエロが引き立てられている!
なんというケミストリー!!
こ、これぞエロ漫画道!!


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普段何気なくオカズにしているエロ漫画。
それが読者にオカズとして使ってもらえるクオリティを得られるまでのエロ漫画家の努力、ちんちんを玉に挟んでテープで留めてパッと見マンコみたいにする方法、そして

エロ、そして感動が分かるのです。


ちなみに、カバーをめくると本作の解説が丁寧にされています。
やはり、自分を主人公のモデルにしてしまった、そしてそれを本気で作品に仕上げることになってしまった作者さんの葛藤が綴られているので、さらにエロ漫画道の奥深さを理解させてくれることでしょう。



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姉と女装とエロ漫画家
posted by 峰なゆか at 16:55| Comment(5) | 日記

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